難病でも前向きに生きる応援団(旧さわやかブログ)

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不治の病や癌に手を伸ばしてくる民間療法という詐欺行為について

さて、マルファン症候群をはじめ、難病の多くは特に遺伝子異常だったりすると、現代の医療ではまだ直すことができません。いわゆる不治の病です。
もちろん医療の進歩は目覚ましく、痛みや症状を軽減したり、健康寿命を延ばす処置が行われます。医療研究者の皆様、ありがとうございます。

最近、市川海老蔵の奥様の小林麻央さんが進行性の乳がんと発表されたことも記憶に新しいです。
癌は早期発見であれば治る見込みがありますが、末期となると進行を遅らせたり、痛み止めといった処置になると思います。

医療という正しい科学の下に投薬や手術の副作用リスクと、治る見込みが何パーセントかとの情報を天秤にかけて処置をしたりしなかったりの判断をするのが普通であります。
しかし、世の中には難病や不治の病や癌に対して甘い誘いをしてくるものがあります。
民間療法・代替医療と呼ばれるものです。

私の記憶に新しいのは、川島なお美さんが金の棒を患部に当てて邪気を払う「ごしんじょう療法」という民間療法を採用していたことです。
川島さん自身が予後不良の胆管がんということと、ステージに立つために抗がん剤治療を受けたくなかったとのことで、川島さんの選択とご判断は何ら非難されるものではありません。

問題は、金の棒を患部に当てるだけで高い効果があると謳う民間療法にあります。
科学の下に行われる医療のことを標準医療と呼びますが、標準医療は、治験者や臨床結果のサンプル数がメジャーな病ならば数千・数万と施術し、その上で治癒率が何パーセントと研究結果を発表します。つまり統計的に有意なサンプル数です。
それに対して民間療法の「ごしんじょう療法」のホームページを見てみてください。
治った声の紹介はありますが、統計の数値的根拠は全くありません。おそらく出せないのでしょう。何故ならただのプラシーボ現象で治った患者はいるものの、その数はせいぜい多くても1割程度と推察します。

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川島さんの旦那様の鎧塚さんの言葉を引用します。
この度の女房の癌がかなり進行している状況において様々な医師を訪ね歩いた中で両極端な医師の見解について・・
とある大病院の医師による
「どうみても負け戦です。後はどう敗戦処理を考えるかだけです。」
という人情味の全くない冷たい見解の医師
ある民間医療の
「必ず治りますから希望をもって諦めずに治癒をしましょう」
と言って高額な治療を勧めてくる一見人間味溢れる医師。
藁をもすがる患者とその旦那にとってどちらが名医でどちらが薮医者だったのでしょうか?
私には今となっても結論はみいだせません。


鎧塚夫妻は「希望」にお金を払ったのだということがわかります。その心中を察したら涙ぐんでしまいます。

我々は希望を商売にしていると開き直られたらまだ納得しますが、1割しか治らない療法を命の掛かっている患者に嘘をついて高額で提供するというのが、本当に腹立だしい。

しかもこういう業者の手に追えない点は、自分が正しいと思い込んでいること。統計的な数値根拠のない民間療法には近寄らないようにしましょう。